『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の
中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ
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といったところで、毎日、概ね浮かれて過ごしているわたしですが、今年の春、お引越をいたしました。
音楽を作る環境の快適化と、機材があふれてきちゃったことで、引越を思い立ったのは去年のはじめのこと。
でも、思ったとおりの条件を全部満たすような物件なんてそうそうあるものではありません。
結局1年近く物件を探し続けていたことになります。
楽器は弾けないと困る、広い、駐車場も!あ、陽当たりもいいほうがいいなあ、冬は暖かいほうがいいもの。でも夏は涼しいほうがいいよね〜。築年数もあんまり古すぎるのも困るし。で、駅から近くて、仕事でよくいくスタジオとかにも行きやすくて、ライヴでよくいくあたりにも行きやすいとこ希望。うーん、あと、隣のひともいいひとだといいわあ。もちろん家賃も重要。すごく重要。
ネットであらゆるサイトをみまくり、見に行ってはああでもないこうでもない、って言ってる間に下手な不動産屋さんより物件に詳しくなり、出してもらう物件ことごとく見たことある、というとてもやりづらいお客になってしまい、やりとりしてくれていた何人もの不動産屋さんがフェイドアウトしていってしまいました。
そんな中で、ひょんなことから内見に応じてくださったとある不動産屋さんのOさん、この人に救われました。
物件を一緒に見に行ってくれて、そこのいいところも悪いところも全部教えてくれて、ここはちょっとやめたほうがいいかもしれませんねえ、などと言い出す商売っ気のなさ、そして「あわてて探すことはないので、ゆっくり自分に合うところを探してください。内見は早朝でも夜中でもいつでもおつきあいします。」という涙の出るようなことまで言ってくれるのでした。
あげく、都合で途中何ヶ月間か物件探し自体を中断したりもしたのですが、その間、フェイドアウトすることもなく、付かず離れず待ってくれるというありがたさ。
結局、私たちが中断している間に、Oさんは颯爽と独立して不動産業をされることになり、よりフットワークが軽くなったのか、ますますこちらのワガママにもつきあってくれるようになり、最終的には12月30日、という暮れも押し迫った、普通ならとっくにお休みモードのさなかに内見につきあってくれたり、お正月をはさんでの契約作業もすばやく進めてくれたりで、ようやく、ほんとうにようやくめでたくお引越ができることになったのでした。
物事の決まる時というのは早いものですね。
あんなに探していたのに、その物件が出たのがクリスマス、内見に行ったのが晦日、そしてお正月あけには契約の交渉と相成りました。
当初さがしていた地域ではなかったのですが、いろいろな条件がとても都合がよく、そこに移ることにしたのでした。
Oさんにはほんとうに感謝しています。
さて、めでたく物件が決まった。
次は引越。
客観的にみて、荷物はまあ多い方だと思うけれど、ちょちょっと断捨離すれば、たいしたことないよね、と思っていました。
だって大事なものだけを持っていけばいいんでしょう?
この部屋の中にあるものはぜんぶ大事なものだから、このままあっちの家の……え、どの部屋に?
驚きました。
古い家では、わたしはリビングで仕事をしていたのです。
というか、最初は仕事部屋がちゃんとあったのです。
でもそこがいつの間にか、使う頻度が低い鍵盤や機材、本棚に入りきらない本、あと大事なものと洋服の荷物部屋になってしまったので、わたしがリビングにはみ出てきてたのでした。ということは、つまり元仕事部屋の現在は、一部屋まるごと荷物。
そして、新しい家は部屋の数は同じなのですが、そのうちの一部屋は防音室で完全に仕事のスタジオ仕様にすることになっているので、いままでのようにまるまる一部屋を荷物部屋として使うなどというのが許される部屋はないのです。ということは、機材類はいいとして、わたしの「本棚に入りきらない本」や「洋服」や「大事なもの」は一体どこへ行ったらいいんでしょうか?
首をかしげていたところへ、「今度のあっちの家のスタジオには、音楽に関する以外のムダなものを置くことを一切禁ずる。」という家人の言葉。
家人の機材なども当然そこに置くわけですから(今までは自分の部屋にぎゅうううっと置いてた)向こうも真剣で、言葉には「このせっかくの防音室をオマエの荷物置き場には絶対にさせん!」という殺気がありました。
「だ、だよね〜…。」
大変なことになりました。
ちょちょっと断捨離、というレベルでは完全にありません。
逃げたい。ここから、この荷物から逃げたい。
そしてまだなにも始まっていない引越の騒動は始まるのであります。