『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の
中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ
[link:1284] 2012年09月09日(日) 13:38
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[link:1288] 2013年01月03日(木) 19:41
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例によって、「天才」という言葉を使うのはまったく好きではありません。
なのだけれど、そういうふうにいう他にないのだから仕方がないのです。
「アメリカの太ったおじさんがバケツリレーをしている感じで」
「ジャングルの人」
「ここでいろんなおばけがわらわら出て来て一斉にいなくなる」
などの注文を、次から次へとなんの迷いもなく「あ、はい、わかりました」っていう。
私としては、言っておきながら、「わかったんかい!」と、心の中で笑いながら軽くツッコむのですが、直後、それがすぐに形になって出て来てしまうので、「あ、やっぱりわかったんだね!」と大笑いしてしまうのです。
その心持ちというか、想像を超えるなにかが次々と飛び出してくる快感は、ちょっと口では言い表せません。
音符の名前はすぐにわからなくても、私の出した音を、バンジョーでもマンドリンでもすぐ弾いたり歌ったりできてしまう。
そして、どんな素材だろうが、場所だろうが、人の描いた続きだろうがなんだろうが、そこにびゃーっと引く一筆で、もうブラウンノーズの絵にしてしまうのです。
なんとおそろしい二人組か。
私は、そんなおそろしい二人組と、またどうしても「一緒に」やりたかったのでした。
前回のおせっかいカレンダーでは2曲コーラスをお願いしたのだけれど、今回はどうしても、楽器ごとブラウンノーズ、というのもやりたくて、曲は作った時から決めていました。
決めていたけれど、あえてそれをこういうふうに、とは言わず、まずは好きに料理してもらいました。
その結果、期待を遥かに上回る、徹底的にブラウンノーズ節が炸裂したデモが送られてきたのです。
それはすでに素晴らしく変てこでめくるめくブラウンノーズの世界ができあがっていて、もうどこからも壊すことができない、という完成品であったため、録音当日はとにかく、それを「多重録音で作り込む世界」ではなくて、「なるべくライヴでやろうと思えばできるぐらいのスタイルで」再現することを考えました。
私がぼんやり描いていたアレンジの骨組みとブラウンノーズに前もってある程度考えてきてもらったデモの設計図をもとに、「あとはあんまりなんにも考えないでとりあえずやってみますか」という方式。
録音中にこんなに笑ったことってあっただろうか、というほど、録っている間じゅう笑いがこみ上げてきてしかたがありませんでした。
曲数は少ないのですが、その心地よいユルさと、狂気の共存する絶妙の世界が、その空気感ごと、切り取れたと思います。
エッセンス、とかそういうことでは全くない。もう、居るだけで世界の立ち位置が変わります。
見えていてもいなくても、確実にそこにあるっていうあの存在感はほんとにすごいです。