忘れ物はないね?:2010-08-01

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2010年08月01日(日)そして八月スッピョコタ

夏も熟されてきました。
毎年、八月、と聞くとなぜかだんだん日向が黄色く見えてくるから不思議です。

さて、この夏、NHK教育では「0655」「2355」の特番がありました。
あの素晴らしき数分間が連続になって構成されたすてきな時間を堪能でき(大事にしまっておきながら、時々取り出してみてはニヤニヤするハードカバーのような番組になってましたね)、歌わせていただいている『あたし、ねこ』や『わたし、犬、いぬ』もまとめて見られてうれしかったです。

そして、「いないいないばぁっ!」では作詞をさせていただいた『かえるスッピョコタ』が登場しました。
この曲がオンエアになってから、人から『スッピョコタってナニ?』と聞かれたり、時々blogなどで『スッピョコタて!』とツッコんでくださっているのを見て、ひとりニヤニヤしています。聞かれても、照れくさいのと、なかなか簡潔にうまく説明することができず、『え〜、スッピョコタは、スッピョコタですよお』などとやっていましたが.......。

『スッピョコタ』とは何か。

かえるの様子を表すオノマトペとして作ったこの言葉ですが、ただ『跳ねる』様子ではなく、『鳴く』様子でもありません。
もちろんかえるの名前でもありません。
そもそもは、『それがそれ自身として、それ以外の何ものにも代え難い人生をズッコケながらも存分に思いきり生きている様子を表す言葉』を作りたかったのです。
それの主役が今回かえるだったから、なんとなくかえるっぽい響きにして、スッピョコタ。
だから、少し大げさに言ってみるならば、『かえるがかえるとして、ほかの何ものにも代え難い「人生」ならぬ「蛙生」をズッコケながらも元気に生き(もちろん蛙自身はそんなこと思いもしないでしょうが)、跳んだり、跳び損ねたり、落っこちたり、鳴いたり、食べたり、食べ損ねたり、ちょっとマヌケだったり、でもそんなこと関係なかったり、そしてまた跳んだりしている様子』といったところでしょうか。

当たり前のことですが、どんな生き物も、それは他のどの生き物とも違い、個体差も含め、他とは違います。
人間にはおへそはあるけれどあんなにピョンと跳ねられる足はないように、かえるも他のどれともちがって、かえるはかえるです。
そしてかえるも人間も犬もぞうも蟻もそれぞれの長所や短所や得意なことや苦手なことや失敗や成功をちまちまと繰り返しながら暮らしています。
いける、と思ったことが失敗することもたくさんあり、もうダメだ、と思ったことが思いがけず素晴らしい結果を生むこともある。
この世に完璧はあり得ない、という前提に基づいて、そういう凸凹を越えながら、つまりは自分の場所で自分のすべきことをのびのびとしていく様子を表した言葉、またはそれを実行する当事者をさす言葉が『スッピョコタ』です。

だから今回はかえるが主役なので、かえるの様子を表現しましたが、意味的には、極端に言えば『ちあきスッピョコタ』でも成立します。
足りないところもたくさんあって、およそ完璧からはほど遠く、日々失敗したりたまにうまくいったり、でもそんな私が、『私以外の何者でもない私自身の人生を泣いたり笑ったりうかれたりして奮闘している様子』です。

『うっかり八兵衛』的に活用するならば『スッピョコ千晶』となりましょう。
『うっかり』という言葉が『八兵衛』にくっついて『うっかり八兵衛』になった途端、ただそそっかしいという一般的な意味を越え、うっかり八兵衛の『彼自身がうっかりだからこその凸凹人生を思いきりに生きている様子を表す言葉』または『そういう人生を生きている八兵衛自身を愛を込めて呼ぶ言葉』として機能しているように(?)、『スッピョコタ』も『この愛すべき人生!』を表すような言葉になればいいな、と大きな妄想を描いています。

そんな壮大な意味を持つ『スッピョコタ』ですが、使い方も、ほぼ『うっかり八兵衛』的なシチュエーションで使うとしっくりくるようです。何かやっちゃった時に愛あるツッコミとして、そしてエールの気持ちを込めて

『こいつぁスッピョコタだ』

あるいは

『まったくスッピョコタなんだから』

『すいません、スッピョコやっちゃいました』

などと言ってみる。
または単に語尾につけても、楽しいです。
よろしくお願いしまスッピョコタ。

[link:1236] 2010年08月16日(月) 16:20

2003年6月16日までの日記


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