『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の
中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ
[link:1198] 2010年01月01日(金) 00:41
明日はいよいよ大晦日。
おせち料理とか大それたものは作れないけど、今年もお正月用になにか作ろう、と密かに計画を練っている。
思えば、一昨年、私は大胆にも、かの有名な『ブフ・ブルギニョン』に挑戦したのであった。それがどういう料理なのか、大してよく知りもしないくせに、とにかく私は、かれこれ10年ほど前にいただいた、Darieさんお手製の『ブフ・ブルギニョン』が忘れられず、どうしても自分でも作ってみたくてDarieさんにレシピを教えていただいて、やってみたのであった。
私はDarieさんの『ブフ・ブルギニョン』が好きだ。Darieさんはもちろん音楽家として尊敬する先輩ですが、その料理の腕もスゴイのである。
『ブフ・ブルギニョン』は牛肉のスネを赤ワインにつけこみ、そのままことことと煮込んだ料理で、私がいただいたDarieさんのそれは、一口食べればもうホロホロトロトロにお肉がほぐれとろけて、本当に激ウマなのである。レシピを聞くと、一見、材料と時間は大掛かりだけど、料理過程はシンプルそうだったので、挑戦する気になったのだけど、果たして...... 何がどうよくなかったのか、やはりうまく行かなかった。いや、味はそこそこであった(しかしDarieさんの味からはほど遠いものだった)。味はそこそこだったんだけど、後がいけなかった。どうやら私は赤ワインにもアレルギーがあるようで、お正月早々全身に蕁麻疹が出て、丸二日苦しむこととなった。しかしDarieさんのをいただいた時にはそんなことはまるでなかったので、きっと私のワインにつけこむやり方がまずかったのか、つけこむ時間が長過ぎたのだろう。一緒に食べたトバ夫さんやお友達は、私を慰めるように『いや、そんなにマズくないよ!っていうか、おいしいよ!これは(きっと)おいしいんだよ!』などと矢継ぎ早に自分に言い聞かせるような褒め言葉を継いでくれたものである。
しかし!私は知っている。私のあの『ブフ・ブルギニョン』は決して、『それほどおいしくはなかった』ことを。
本当であったら、それを反省してリベンジをしたいところであった。けども、蕁麻疹の恐怖がトラウマとなり、それ以来挑戦していない。
ちょうどDarieさんが12月28日の日記に書いておられるが、Darieさんの『ブフ・ブルギニョン』は絶品だ。しかしDarieさんでさえ『修行』っていうほどのものなのだから、いくら同じレシピでやったところで私などがうまくできるわけないのだ。ああ、Darieさんの『ブフ・ブルギニョン』がまた食べたい。
と、結局自分ではまだ何も作っていない晦日。
本日はタマコウォルズのライヴです。今日はそれどころではない。料理のことは、明日考えよう。