忘れ物はないね?:2009-12-28

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2009年12月28日(月)

大掃除。
今年もいろんな人、いろんな場所、いろんな物にお世話になった。
最近では、人が聞いたら「えー!いまさらー?」と怒りに狂うような(自分でも、えー?いまさらー?と思う)、あまりに有名すぎてうっかりしてたけど、ビートルズのサージェントペパーズってすごいアルバムなんだね!と今更ながらにその素晴らしさを確認したり(←確かに遅すぎると思うが、何事も、気付くのに遅すぎるということはない、と信じたい。)、あまり人にはわかってもらえないかもしれないもの(まあ古いジュータンね。椅子の下に敷く。)にわりと大金をはたいてしまったり。
20年近く前に、当時のピアノの恩師と2台のピアノで弾いたミヨーのスカラムーシュを改めて聴き、その当時のまるでなにもわかってなかった自分の青さに愕然(←いや...いまも相当わかってないと思うけど)。
あと、ほかにも、これまた有名すぎるボブ・ディランですが、こないだのクリスマスアルバムもなんとも素晴らしかった。私は、ボブ・ディランは、一番はじめの出会いが本人が歌うものではなくて、The Byrdsがカヴァーしたやつだった。20年近く前に、当時、うちの近くに変てこな本屋さんなのか雑貨屋さんなのかよくわからないお店ができて(それが今や全国区のヴィレッジ・ヴァンガードの最初のお店。本社は今もそこ。)、しょっちゅう行ってたんだけど、そこでかかっていたのがThe ByrdsのBob Dylanのカヴァーアルバムで、お店で一瞬聴いてショックをうけて即行買って帰ったんだけど、本当のBob Dylanが歌うのを聴くのはそれからまだしばらく後で、実はそんなにたくさんは聴いていないけど、今、あのアルバムを作ったってのがなんかすごく心にくる。

など、目から鱗が落ちるようなこともいろいろあって、つまり、なにも新たな刺激ばかりが人の心を動かすもんでもない、という、むかーしからよくわかってたはずのことを改めて感じたりした。
こういうことをしみじみ思うってのも、年の瀬のせいなのか、年のせいなのか、よくわからないんだけど、よくわかったのは、今までスルーしてたこととか、ピンとこなかったものが、突然自分にしっくりくる時が、一番いい時なんだってことでした。それについて、早くから自分なりに理解して吸い込んでしまうこともあるけど、早くに知ってたり、存在は認識していても、その時には気付いてなかったり、自分には入ってきてないことってすごいあるんだなーと。
そう考えると、なんだか自分がものすごくなにかの一部分を知っているだけの知ったかぶりで今を生きてしまってるような気もする。でも、その時点でそう感じたり、そこしか気がつかなかったり、っていうのもひとつの通過点だから、それは当然のことで、それを繰り返して行くんだなあ、と。
これからも、うんと色々を味わおう。

[link:1197] 2009年12月30日(水) 14:28

2003年6月16日までの日記


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