忘れ物はないね?

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2009年10月13日(火)

あー、金木犀。
秋は空の高さと、街の中で突然やってくる金木犀の匂いなどで、自分が突然どこかへ行ってしまったような、かと思えば急に輪郭が濃くなって浮き出してしまったような、自分以外がみな遠い時間のような、なんともいえない気持ちになります。

テリーたちは今日は大阪。
昨日のTOKUZOもいいライヴだったんだろうなあ。TOUZOの森田さんやいずみちゃんにも会いたいなあ....などと思いつつ遠い目。

東京の二日目の時、リハをのぞかせてもらおうと早めに行ったら、ちょうどリハが終わってドラムのコンラッドとベースのピートが向こうからやってきた。
挨拶もそこそこに、ちょっと腹ごしらえにお寿司が食べたいから連れてって、というので『ゴーラウンドスシ?(ほんとは回転寿司ってなんという?)』と聞くと『イエス!』と。
で、近くのゴーラウンドスシに一緒に行く。
カウンターに座るやいなや、二人は慣れた手つきで自分でお茶を入れ、お箸をとり、お醤油にわさびを大量に投入して、ウニや生タコ、ホタテ、サーモン、いくら、うなぎ、お稲荷さんなどを次々と平らげてました。
日本に来たからには、日本の食べ物やリアルな街を味わいたい!というピートとコンラッド。ピートは納豆も初チャレンジしてましたが、ものすごくビミョーな顔で『...........Ummm.... Not so bad.』とのことでした。味はともかく、糸をひくのがいやなようです。

その後、彼らと別れ、開演までまだ少し時間があったので、ぼやっと歩いていると、かの有名な『名曲喫茶ライオン』のところへ来たので入ってみる。
建物、店内、照明の暗さ、メニュー、私語はできるだけ控えめに、椅子に深くすわって、すごいスピーカーからやさしく流れるハイドンに、うつむき加減で首をゆらすお客さんなど、正真正銘の由緒正しい『名曲喫茶』でした。もちろん名曲喫茶ジャズ喫茶の定番『オレンジエード』を注文する。

そしてお店を出てO-Nestへ行き、一気にハイドンから12 bar Bluesへ。
楽しみ方も好みもさまざまだけど、本当に、音楽とはなんと不思議な、すてきなものか。

[link:1172] 2009年10月15日(木) 01:46


2009年10月15日(木)

テリーたちの大阪公演も大盛り上がりのうちに終了したようで、本日は貸したClavinet/pianet Duoを返却していただいた。お手伝いをされてたMさんという方が大阪から夜走りして運搬してくださったのだが、東名集中工事でとてつもなく渋滞してたところがあったらしく、大変だったそう。おつかれさまでした。ところで、そのMさんは本業は、おいしく安全な野菜を販売するというお仕事とワインアドバイザーをされてるそうで、テリーたちのライヴの時も、アンケートを書いたお客さんに先着で岩手のおいしい野菜を配っておられた。私もトマトをひとついただいたのだけど、すごくおいしかったのだ。
最近、mixiのサンシャイン牧場にうっかり手を出してしまったばっかりに、リアルな植物栽培はまったくのドシロウトどころか、多肉さえもことごとく枯らせる私であるけども、つい農作物のことをあれこれ聞いてしまいそうになる(←アホ)。
サンシャイン牧場は魔物で、あんなウェブ上の小さな畑だけど、のぞきに行った時にモリモリにりんごが実っていたり、大きなお花が咲いていたりするとパァッとうれしくなる。そのせいで、もう畑が気になっちゃって、家で仕事してる時など、のべつまくなしに畑へ行き、ヒトの畑も見回って水をやったりしてしまうのだ。早く牧場に行ってみたいのだけど、あれは自分がレベルが足りなくて牧場へまだアクセスできないのに、他の人が牧場の水飲み場に水を足してくれたりしてる、っていうのはどういうことなんだろう?
不思議だ。


[link:1173] 2009年10月17日(土) 18:52


2009年10月17日(土)

きのうのタマコ2のデラリバ、楽しかった。
leteならではのまったりのんびりムードが、日頃のタマコ勢揃いの時とのギャップを生んでて、なんとも愉快。演奏もよかったなあ。
LIVE中にお客さんと普通に会話できちゃうのもleteの面白いところ。

なんて、楽しい気分で、帰りにファミレスで遅いごはんを食べたのだけど、このファミレスで、ちょっとしたびっくり事が。
私の頼んだ『かぼちゃと○○の△△』という品に、どう見てもかぼちゃがひとかけらも入っていない。
最初ちょっと食べすすんで、かぼちゃが全然出てこないなあ、と思ってひょっとして下に埋もれているのかと思ってそっと軽くお皿の底のほうも見た(ぱっと見、全貌が見えないしくみの白い料理。っていうと、大体どんなんかわかっちゃいそうだけど。)けどぜんぜんない。うーーーーむ.....。
どうしようかと思ったのだけど、なぜこのメニューにしたかというと、今日は野菜不足だったから緑黄色野菜を食べよう、と思ってコレにしたのだから、メニューのタイトルにもなっている主役の一つがまったく入っていないというのは、なんだかどうも納得が行かない気持ちだったので、お店のヒトに言ってみた。
しかし思ったとおり、お店のヒトは『あ、どうも申し訳ありません〜。』とだけ言って、それをどうするとも言わず、お皿を下げもせず、『○×く〜〜ん』と厨房のヒトの名前を呼びながら消えていった。
で、残された私たちは、『まさか、かぼちゃだけ持って来たりしたらどうしよう?』なーんて冗談を言って笑ってたのだけど、それは予言となった。
数分後、なんと、そのまさかであった。そのパートの女のヒトは別のお皿にかぼちゃのみを持って登場。
で、私に自分でそれを乗せろという。
ラーメンの替え玉ですか?
もしこれが、独立したかぼちゃのおかずとしての一品だったなら、それでもまあ、よい。
しかし、その料理は、かぼちゃの煮物の小鉢、とかそういう類いのものじゃなくて、『かぼちゃとかその他の野菜とかが一緒に調理されてひとつの料理として成立してる』ものだったから、私およびその場の全員が『え.....?』と絶句すると、『あ、じゃあトッピンクしてきましょうか?』と言う。
えーーーー?
ト、トッピング.....?
これに?
この状態で?
それを?
いやいやいやいやいやいや......
っていうか、そういうモンダイ???
それより、お客さんにそんな料理を食べさせて平気?
かぼちゃだけ持ってけば大丈夫、って誰判断?
いや〜、ツッコミましたね。
一瞬のうちに10ツッコミぐらいしました。
心の中で。
で、さすがにそれはないだろう!と思って、まわりのトバオさんニシイケさんムーさんも同時に『え、ちょっとそれは...』とか言ってくれて、作り直してもらいました(ほんとに作り直してないかもだけど)。
あーーーびっくりした。

........と、本当はここ↑↑まで書いて一旦アップしたんだけど、結果的に『作り直してもらった』というのが果たして正解だったかどうか、というのは今もよくわからない。
作り直してもらったことによって、食べ物をムダにしてしまったことには、心が痛む。料理に罪はないし、私がかぼちゃをうけとって自分で乗せてたら、そのまま無駄にはならなかったわけだし..... と思うと、ちょっとブルーになる。
でも、あそこで『かぼちゃをトッピング』っていうのは、かぼちゃも一緒にグリルするっていう過程は無視してるじゃん!
じゃあこれがもし炊き込みごはんだったら、具が入ってなかったら、あとから別に煮た具を持ってこられて自分でまぜろってこと???
仮にもレストランでいくらなんでもそれはどうなの?ってとっさに思ってしまったんでした。
しかし、それでも、あの店員さんが、第一声で、人として普通にほんとに申し訳ないと思った対応をしてくれてたら、いいです、もう、このまま食べます、となってたかもしれない。
うーーーーん。たかがかぼちゃ、されどかぼちゃ。
こういう場合は私も、自分がどうするのが正解なのか、ゆっくり考えてみよう。
なんにしても相手あってのやりとりだから、一通りのことではないんですけどね〜〜〜。


で、気を取り直して、ちょっと宣伝です。NHK教育のおかあさんといっしょで6月のうただった「ほっとけーきはすてき」が収録された最新ベストCD『ぼくらのうた』が10月21日に発売になります。
今年の月のうたの他にも、過去の月うたで栗原さん作曲、栗コーダーカルテット演奏の「あめふりりんちゃん」なんかも収録されています。

なんて、フと気がついたら、アップップリケショー4まであと2週間ではありませんか!
あわわわわ。





[link:1174] 2009年10月18日(日) 23:26


2009年10月18日(日)

先日、テリQの時に貸したクラヴィネットを大阪から運んでくれた農業ロッカーでファンキー農家(意味おんなじか。)のMさんが、奇遇にも近くのスーパーで無農薬野菜の販売をされるという。
それはその運搬のお礼もかねてのぞきに行かなければ、ということで出かけることにした。

そのスーパーは行ったことのない知らない街にあるのだけど、地図で見ると、自転車で行けないこともない距離であったので、久々に自転車に空気も入れて、道も一番わかりやすい簡単なルートを選んで、曲がる交差点とポイントをメモして(地図は全貌を描けるほど近くなかった)、よっしゃ行ってみよ、と出発した。
ところが、目指すところは思ったよりだいぶ遠く、ほとんどの交差点に名前が書いてなく、そして何より、自転車がなんだかペダルがすごく重くてガタガタいうのだ。
出発した時はさわやかだったのに、みるみる西日がまぶしくて眉間が痛くなり(帽子忘れた)、足も痛くなり(うかつにサンダルばき)、汗だくになった。
そして、気がついた。.........これは、パンク?(正解。)
降りてタイヤに耳を近づけるとなんだか『スーーーーーーーー....』というとても控えめな音がしている。
しかし、もう行くしかない。
自転車もパンクしてるけど、まだぜんぜん遠いけど、道もいまいちよくわかんないけど、とりあえず漕いで漕いで、やっとの思いで到着した。

そのスーパーは住宅街にぽつんとある小さなスーパー。でも夕方のお客さんでにぎわい、Mさんはそこで、岩手で無農薬で栽培された激ウマのプチトマトや、でかくて弾力がすごいシイタケや、ワサーーッと茂った朝取りセロリ株ごとや、特大にんじんなんかを元気に販売していた。
さっそくプチトマトを試食させていただく。少し楕円形の『あいこ』というトマトは甘みがすごい。もうひとつ、ちがう種類のまんまるのほう(名前失念)は酸味と甘みのバランスが絶妙。あれこれ迷ったあげく、しばらくMさんの愉快な変人ぶり(ホメ言葉)を堪能した後、いろいろ買い、オマケもたくさんいただき、すごい大量の野菜を持って帰ることになったのだけど、おしゃべりしてるうちに、そういえば自転車のタイヤがパンクしてることを思い出した。するとMさんはじめ、パートのおねえさん、お客さんのおばちゃんなどその場にいた人みんなに修理を強く強くすすめられ、近所の自転車屋さんを教えてくれて、今すぐ、この野菜はここへ置いておいて行ってくるよう言われる。
で、知らない街の知らない自転車屋さん(もうシャッター半分閉めてた)に飛び込むと、おじいさんが出てきてくれて、パンクばかりかチューブまでイカレてるとのことで、交換するという。しかし、ムボービな私の本日のお財布には3千円しか入っておらず(子供?)、おじいさんにそういうと、『あと千円あればタイヤもチューブも交換できるのに。』と残念そうに言う。しかし、このおじいさんのお店ではカードは使えない。
なので、とりあえずチューブはいいです、と言うと、震える手で、この道をまっすぐいって信号を右に行くとセブンイレブンがあるよ、と教えてくれた(お金下ろしてきたら?と暗にアドバイス)。
なので、時間もまだかかりそうだし、またそこからコンビニへ行きお金をおろし、タイヤとチューブを交換してもらい、再びスーパーでお野菜を受け取り、やっと岐路に着いた。

しかし交換してもらった後の走りは快適この上なく、それになにしろ、この野菜を当分食べられると思うとすごくうれしくて、Mさんありがとう!今度はお米買いますからよろしく〜!
そうだ、帰りに通り道だしYちゃん家に寄ってお福分けしよう!
....なんて大変うかれて道を走っていたのだけど、暗くなってまわりの景色がかわり、気がつかぬまま道をまちがい続けていたようで、そんなとこ行くはずないのに!って場所へ出てしまい愕然とする。普段は電車や車でしか通ったことない逆方向の街で、ぼやっとは知ってるような気がするけど、いざ自転車で放り出されると、どの道も確信がなく、リアル迷子(子供?)に。
いかん、通り道だったはずのYちゃん家は通り道どころか、似ても似つかないところへ来てしまった。うかれてYちゃんに電話をしていた自分が懐かしい。
しかし、もう暗いし(子供?)ともかくYちゃん家を目指さなければ、とそこからは勘と人に聞きまくる作戦(Yちゃんに聞いても自分のいる場所が説明できないからわからない)で、どこだか全然わかんないYちゃん家をめざして強行に走り続ける。
がしかし、その時間、意外に歩いている人がいない。通り過ぎる人はみな自転車であっという間に行ってしまうか、イヤホンをしてジョギングする人で、ぜんぜん声をかけられない。しかたがないので、赤信号でやっと止まった向こう側の自転車の人に大声で尋ねたりした。
今日び、ヒトに道を聞かれても危険な目に遭うようなぶっそうな世の中、前カゴに大量の袋を積み、さらにハンドルも、それを握った手も見えないほど尋常でない量のセロリの葉っぱをワシャーーーっと生やし、横断歩道の向こうから大声で道を尋ねる私。後から考えると、その姿は思いっきり買い物帰りっぽいのに、明らかに迷子???という、客観的に見たらとても変な状態のヒトで、まあ悪い人には見えなかったと思うけど、道を聞いた何人もの人は『コノヒト、どうしちゃったの...?』って思ったと思う。
で、すごい大回りでYちゃん家にたどりつき、しかし結局最後は幸運にもトバオさんに車で拾ってもらい、自転車ごとセロリごと積み込まれて、帰宅。
自転車散歩のつもりがとんだ小旅行になってしまいました。
助けてくださったみなさんどうもありがとうございました。

でも、知らない街の、もっさりどっさり垣根にかこまれたタバコ屋さんとか、銭湯とか、いいカーブとか、ポニーのいる公園とか、妙に年寄りくさいリズムのニセ歌謡三味線を練習する音とか、見たり聴いたりすること全部が予測できなくて面白かった。




[link:1175] 2009年10月21日(水) 00:28


2009年10月21日(水)

光回線に変えた。昨日切り替え工事だったのだけど、切り替えてもらった後の設定がうまくいかないのなんの。
おまけに、今まで有線だったのを無線でMacに飛ばすために、それ用のルータを買ったんだけど、それの説明がものすごく不親切で、紙の説明書とCD-Romのカンタン設定マニュアル設定するIPアドレスとかがちがったことがかかれているし、パスワードも新しく送られて来たパスワードや、自分のパスワードやいっぱいあって、そのどれのことをさしているのかわかりにくい。おまけに訂正とかの白い紙も追加されたりしていて、やってもやっても何がいけないのかよくわからず、1日それにかかりっきりになって、病気になりそうだった。
一時はもうダメかと思ったが、今日になって光が差し、やっとサポートの人に聞くことができて、どうやら、このルータに変える前(もう6年ぐらい前)にルータの機器設定のためのパスワードってのがあったらしくて、それがわかんないために、ルータを設定するすべての設定画面にログインもできないし、なにも進まなかった、ということがようやく判明した。が、そのパスワードってのを、6年前に自分で設定した記憶はまるでなくて、結局ルータを初期化して、やっと今までどんなにやってもできなかった設定ができた。
コンピュータに詳しい人だったらまったく簡単なことなんだろうけど、まったくそうでない、特にわたしのような人にはまさに苦行だった。が、そのおかげで、ネットのしくみとか設定のことが少しわかった。

そして、消耗しすぎた体にムチをうち、デモを作成中。

あたらしい曲も製作中。
ライヴも迫ってます。
間に合うか?? ピンチ!
ご予約もわりとピンチ!
お待ちしてまーす。



[link:1176] 2009年10月23日(金) 00:53

2003年6月16日までの日記


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