『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の
中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ
[link:1108] 2009年05月13日(水) 02:04
なぜそれを今改めて書いてるかというと、もうかれこれ3年ぐらい前にBN2号さんに『名古屋の地酒だったらカモシビトクヘイジってやつがうまいと思いますよ〜。』と、かるーく雑談の中で薦められた日本酒。ご存知の通り、BNさんは、そのたまらなく面白い語り口に若干の北関東のイントネーションが混じっているため、その時は『へえー。』と聞きながら、その実『カモシビトクヘイジ、ってどこで区切るんだろう....?』と思って、その言葉だけが呪文のように頭に残ったのみでした。
それがつい先日、本屋さんで、大人の某高級雑誌(うーん、しいて言うなら家庭画法的な。出て来る品物やお店がいちいちケタ違いな。)の名古屋特集をパラパラ立ち読んでおりましたら、『パリの三ツ星レストランで初めてワインリストに加わり、昨年はソムリエの世界チャンピオンが醸造元を訪れた、世界へはばたく極上の日本酒』として『醸し人 九平次』が紹介されておりました。
あの『カモシビトクヘイジ』でした。
それにしても、私が2号さんに耳打ちされた時期を考えると、ソムリエ世界チャンピオンが訪ねるよりぜんっぜん早く、2号さんはどこかでこのお酒を既に飲み、これはうまい、という評を下していたことになります。
どこでそんなお酒知っとったん?と。
どこまで舌肥えてるん?と。
2号さんといえば、すごくおいしいとんかつを一緒に食べた時、『いつもおいしいはおいしいんだけど、今日みたいにめっっっっちゃくちゃおいしい!っていう時と、あれ?この前のほうがおいしかったな、っていうぐらいのおいしさの時があって、ちょっと惜しい時があるんですよ。』と言うと、『そりゃあそうでしょうね、肉は生ものですから。』という名言を吐いた男前。
デジタル的にいつもいつも全部が美味しいほうが嘘っぽい、という、そのあまりにもシンプルで的を得すぎている解釈は、まさにホンモノです。
そして、以前ライヴの時にBN家でごちそうになった、あのなんでもない野菜やごはんやお魚のなんとおいしかったこと!
ほんとにあのひとら、まちがいなくホンモノの食通だと思います。
ああ、今度はBNさんたちと一緒にレコーディングしながら合宿とかしたら楽しそうだなあ!それだ。そうしよう。
でもまず、件の『醸し人 九平次』、飲んでみようっ!(でも今見たらネットで買えるみたいだけど、ラベルがいろいろありすぎてよくわかんない!)