『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の
中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ
[link:970] 2008年04月11日(金) 23:31
が!問題は顔である。ゴールドカードの人は5年間写真が変わらない。まあパスポートもそうなんだけど、5年も今日の顔を証明で見せるかと思うとやはり髪型とか顔のやつれとかいろいろ気になるのがオトメ心というものでしょう。どんなに盗み撮りされても常に美しくかわいらしいピチピチの乙女か永遠の美女風の人は心配ないかもしれないが、私のようにいつも目が離れているか、鼻がぺちゃんこになっているか、口がとんがっているか、さもなくば全体的にたいそう眠そうにしているか、というような、『許容範囲の顔で写真に写る』確率が3割未満の人は、免許証の写真というだけで、もう押し入れに逃げ込んで布団をかぶりたくなるぐらい憂鬱なモノなのだ。
だから、出がけにできるだけ顔とか髪を整えて、行く道では所々の鏡をのぞきつつ『今回は口はうっすら微笑みをたたえてみよう』『目の開き具合はこのくらい』『目をつぶらされて開いた途端に撮られるかもしれないから、目をすぐにパッチリ開く練習』などをしていったのだ。いや、外見的な顔の作りは仕方がないとして、どんな人にも表面的でなく『これイイ顔で写ってるじゃん!』というようなショットがあるはずだから、せめてその類の『イイ顔』でもいいから、という藁をもすがるような思いで、『心』の中もすがすがしい気持ちを保つシミュレーションとかしたわけです。
しかし水曜日の午後、運転免許証の更新場はガラガラで、写真のところも鏡で顔とか髪とか直せるほどの列はまったくできていない。係の人が全員で『はいはい、次の人、どうぞどうぞ。はい、どうぞ。どうぞ。』と待ち構えられているところへフラっと入ってしまったもんだから、『微笑み....』とか『目をぱっちり.....』とか『すがすがしい顔......』とか言う以前に、あーもスーもなくシャッターをおろされてしまった。そんならいっそ盗み撮りされたほうがまだいいわ!というぐらいのそっけなさであった。
果たしてできあがりは、やはりヒドかった。もっとライトを!そして、ちゃんと人が目を開けきったタイミングを見てくれ!
............しかし、これが現実なのだろう。どんなタイミングでも、どんな顔でも、免許証の写真に自分の満足いく顔で写れる時が、あるいは百歩譲って『いや、でも、イイ顔して写ってるよ、これ!』というような顔を免許証に貼れる日が、果たしてくるのだろうか?っていうか、その前に、やっぱこれでまた5年行くの?