忘れ物はないね?

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

HOME

2006年09月19日(火)

仕事の一稿を出してみる。
さんまを食べた。今年初さんま。
さんまを食べるときは栗ごはんを一緒に食べたいところだけど、今日はなし。でもおいしかった。ポテトサラダを作りすぎた。
じゃがいもを3個しか使わなかったが、いもが大きすぎたようですごい量になってしまった。
足の指の薬指の爪ばっかりはがれてくるのはなぜだろう?
秋だなあ、ららららー。


[link:714] 2006年09月20日(水) 23:43


2006年09月20日(水)

この間のふちがみとふなとと加藤千晶をやった時には、これまたこっちのヒトとあちらのヒトが意外な人を通じてつながっていたりすることが大変多くて、そうやって距離も時間も関係なくいろんなところでいろんなものがつながっているという感覚がとてもうれしかった。
ライヴ当日も、遠くに住んでいてもう何年も会っていない人や、忙しくてすれ違いが多くあまり会うことのなかった人も来てくれて、一方でその日初めてお会いする人もいて、でも話していたら、その人と、今この場にはいないけどつい最近までよく連絡をとっていた人がそこに居るあの人の後輩で、はたまた、翌日に、ライヴに来てくれて15年ぶりぐらいに会うことのできた人のアトリエを訪ねると、きのう初めて紹介されたあの人と親しかったり。
こういうことがあるので、人とのご縁というのは面白い。ずうっっと会わなくても全然ご縁が切れてしまったとは思わない人はやっぱり必ずまたどこかで出会うものなのだ。たとえ15年に1度しか会わなくても(そりゃ頻繁に会えたら会えたほうがうれしいが)、その周期がその人と私の周期なのだな、と改めて思う。しかしこの年になると、どこかで必ず誰かがつながっている。。。こういう感覚ってやっぱり人間特有のものなのだろうか。例えば猿なんかの世界にも何かそういうドラマみたいなのがあるのだろうか?よくドキュメンタリーとかで『あれは3年前に群れを離れたヨサクだ』とかやってるような気がするけど。

今朝の4時までリリー・フランキー『東京タワー』を一気読み。号泣。みんな泣く泣くと言っていたが、こりゃあ泣きます。うっかり読み出してえらい目にあってしまった。しかも泣くところが長い。クライマックスのあたりはもう涙が流れるっていうより嗚咽に近くなってきて、さすがに疲れた。小さい頃、私が居間でみなしごハッチを観てるなーと思ったら突然『わーーん!!!うわーーーーーん!』とものすごい号泣が聞こえてきて思わず鍋をひっくり返しそうになった、と母が言っていたことを思い出した。リリー・フランキーという人に今までそんなに興味を持ったことはなかったし、それ以前に何をしている人なのかあんまりよくわかってなかったんだけど、テレビでたまに見かけるそういうユルーいうさん臭いイメージとのギャップもかなりあって、一本とられた。それは、いわゆる『そういうユルーいうさん臭い人がものすごい文才でもって、文壇に嵐を起こすような小説を登場させた』ということではなくて、『どこまでも普遍的な事象をどこまでも個人的なフィルターを通して、その人柄でしか表せない表現で、包み隠さず、でも決して自己満足でなく書き綴っている』ところがよかった。
明け方にあまりに泣いたので翌朝目ががすごいことになっていてまいった。なので、今日からは泣かずにすむミステリです。


[link:715] 2006年09月22日(金) 00:49


2006年09月21日(木)

名古屋ではMCでしゃべったんだけど、実は名古屋に出かける前の晩、ブロッコリーを食べようと、買って来て冷蔵庫に入れてあったブロッコリーを洗って切り分けようとしたら、ほら、例のブロッコリーによくついてる青虫がいたんです。ぎょっとして全身が硬直したが、ちょうど株の外に出ようとしているのは触らずにビニール袋の中に落とすのに成功し、安心したのもつかの間、株の中の奥のほうに2匹、いや3匹ぐらいの別の物件がうぞ、うぞ、としているのを発見。思わず絶叫。流しにブロッコリーをゴンと放り投げてしまったのですが、自分に『いや、こんなに虫が付いてるのはこれは農薬が少ないいいブロッコリーなんだから、いいブロッコリー、いいブロ. . . . 』と繰り返し暗示をかけ、外側の切れるところから切っていこうとした。しかし、包丁を持つ手が震え、どうしてもそれら3匹と地続きになっている自分の手が怖い。今は株の奥にいるが、この瞬間にも、私の包丁を見て驚いて一斉にすごいスピードで外に這い出して来て私の手まで来ちゃったらどうしよう?
更には、殺すわけにもいかないそいつらをどこに捨てるのか?誰がつまむのか?菜箸などでつまめるのか?仮につまめたとしてもつまみが甘くてスルリと菜箸を抜け、私の足の甲にでも落ちたらどうするのか?では、やはりこのまま袋に全部をとじこめ、袋の口を固くしばってゴミ箱か?でももし袋のしばりが甘くて夜中の間にゴミ箱を抜け出し、寝ている私のところまで這って来たらどうするのか?
それ以前にこれはこの状態できのう一晩冷蔵庫に入っていたわけだけど、逃げ出したやつは一匹もいないと断言できるのか?もしかすると一匹ぐらい冷蔵庫の野菜入れ場を這っていたりしたらどうするのか?そしてその這っているやつがひょんなことから冷蔵庫を抜け出し、やはり寝ている私のところにまで這って来たらどうするのか?というようないろいろな思いが一瞬のうちに頭を駆け巡り、そうこう考えている間にも、万一株の中からピョーンと飛んできたらどうするのか?など、頭のおかしい人のようになり、もう完全に限界が来て、そのブロッコリーをベランダの柵の外の隣との境目の芝生の上に置いてきてしまった。
そしてそのまま名古屋へ行ってしまった。
帰宅してブロッコリーを見てみると、それは茶黄色くなって、完全に死んだ感じになっていたけども、株の奥にいた人たちがどうなったかは確かめる術もなく、確かめる勇気もないまま現在に至っている。隣の人に見つかってないだろうか?妙な疑いをかけられたら上から落ちて来たように見せかけよう。
青虫はかわいい、と多くの人が言うし、私も写真とかで見ると、『そういわれればそう思えなくもないな』と思うのだけど、実際に自分の手に乗り移ってきそうな境界のないところで対峙するのはかなりこわい。ガラスケースの上から見るのも飛び出して来そうでこわいので、四方を絶対に私とはつながっていない状態で囲ったものを見るだけなら大丈夫かもしれない。

[link:716] 2006年09月22日(金) 23:33


2006年09月22日(金)

仕事の返事を待つ間、なんとなくコロッケを作る。
だいぶ前の晩ご飯に作りすぎたポテトサラダがポテトコロッケに。普段あんまり揚げ物をしないので、揚げるとなったら他にも揚げたくなり、かぼちゃを薄切りにして素揚げ(←ビジョンなし)。その後の展開に困り揚げたかぼちゃをレタスとルッコラとまぜて塩こしょうして無理矢理サラダにする。おいもとかぼちゃ、そしてどちらも揚げ物、というドンとくる夜ごはんになってしまいました。大体いつもビジョンがないか、途中でどうかなってしまうので、妙なごはんのことが多い。
私は料理を本を見たりしてレシピ通りに作ったことはない。そもそも料理の本を自分が作るためにレシピを知ろうと思って購入したことがない。『へえ〜これおいしそう』『こういうのいいねえ』『わあ、いいなあこんなん』とは思う。すごく思うが、それをそこに書いてあるレシピ通りに作ったことは一度もない。本からはそのイメージとエキスを吸い取って、あとは自分で。どうしてもそうなってしまう。それは料理道何十年の料理人とか料理愛好家のやってはじめて意味のあることで、私みたいなド素人がやったらただの実験料理なのだけどねえ。

[link:717] 2006年09月24日(日) 19:35


2006年09月23日(土)

このところ秋っぽい雰囲気にはなってたけど、なんか今日急に来た感じ。秋はいつも急に来る。

夜は赤坂へタマコウォルズhttp://www.tamacowolds.com/のライヴへ。タマコは、ほんとに観るたびに進化していて、観るたびにおおっ!と思うスゴイバンドなのだが、今日は今まで観てきた中で一番決定的に何かがキマっていたと思う。いるべき人がいるべき場所にそれぞれスコーンと落ち着いて、そこでそれぞれのパワーをいかんなく発揮し、なおかつそれが大きなうねりとなってひとつのアンサンブルに集結している感じ。
タマコウォルズを構成している人々はそれぞれ酸いも甘いも噛み分けた強者ミュージシャンなのだけど、そんな人々がまったくバンドを結成したての若者のようにフレッシュにどん欲に楽しそうに『バンドをやっている』様子も大変うらやましい。ものすごく成熟しているのに、本人たちは成熟からもっとも遠いところで動き続けさぐり続け、さらにどんどん成長しつづけているような感じで、それがまたとても魅力的だ。っていうか、なんなんだこのバンド!すげえなあ!って思いました。
このバンドはこのまま行くと一体どういうことになってしまうんでしょう。すごい楽しみです。もっとみんな観るべきだー。


[link:718] 2006年09月27日(水) 00:05

2003年6月16日までの日記


Copyright©2001-2003 Chiaki Kato, All rights reserved.
Contact Us
Do you know DonutFilms?

k-diary script by Office K.

※このページの更新情報はlastmod.txtより取得できます。