忘れ物はないね?

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2004年12月10日(金)

久しぶりに夜、お外へ出たら、やっぱり冬になってた。
という感じで、私がいかにこのところひきこもっているかがわかっていただけると思うのですが、ようやくベーシック作業のメドが立ってきて、これできっと来週あたりには人のライブを観にいったり、オムライスを食べたりできるようになるかもしれない。
きのうの外出は近所のドラッグストアへ紙類(ティッシュペーパー、トイレットペーパーなど)を買いに行っただけだけど、この寒い師走に家からトイレットペーパーを切らすことなく過ごせると思うと非常に満ち足りた気持ちにもなるってもんです。
しばらく前からティッシュペーパーが最後の一箱に、そしてトイレットペーパーは最後の4個ぐらいになってもう気が気じゃなかった。前にも書いたような気もするが、私はトイレットペーパーティッシュペーパーをはじめ、コピー用紙、メモ用紙、封筒、キッチンペーパー、コーヒーフィルターなど、家中の『紙類』を切らすことがとってもとってもきらい。ちょっと気がおかしいぐらいなくなることがいや。っていうか、紙類が好き。どこかへ出かけると、どうもうっかり使いもせんのに色画用紙や色紙やテーブルナプキンを買うふしがあるし、トイレットペーパーは棚をあけるといっぱいつまっているとうれしい。お前はオイルショックか、とたまに自分でツッコんでみることもあるが、どうもそのようです。でもキッチンペーパーにはすごく好みがあって、そんなに好みがあるんならまっさきにそれを買うべきだが、意外とすぐそれを忘れてちがうのを買ってしまってすごくショックだったりすることもあるので、本当に自分はおかしいんじゃないか、と思うこともたまにあります。
トイレットペーパートイレットペーパーと思ってキッチンペーパーを買ってしまったり、絹ごし絹ごし、よしこれは絹ごしだな、と思って木綿豆腐を買ってしまったり、話しはそれますが、本屋さんで文庫の棚をみていて、手にとった本を広げると「あれ、ずいぶん題名とはかけ離れた内容だなあ、ふーん」となって、よく見るとそれは手にとりたかったのの隣の本だったりする、ということもたまにあります。前テレビでそういうのはナントカっていう病気の前触れだといってたような気もして、気になるのですが、なんなんでしょう。心配です。

[link:339] 2004年12月10日(金) 17:09


2004年12月13日(月)

ずいぶん前からMacのG4で使っているモニターがヤバめになってきてて、時折すごい真っ黄色の画面になったり、画面がゆがんで四角が食パンの両端を指で押したような、つまり「ムンクの叫び」の顔のような状態になったりしていて、まずいなまずいな、と思っていたが、ついに今日、よりによって出がけに立ち上げていたら、突然ガガガガガピュウーンとなったかと思うと、たちまち真っ白い点になって何かが遠ざかっていってしまい、暗闇になった。で、静かになった。まったくご臨終という感じの最期だった。でもG4本体は立ち上がったままで、モニタが死んでしまって終了できない、という困った状態になった。結局ほかからモニタを運んでそれをつないで、終了できたのだけど、大変だ。
さよなら、さよなら。おつかれさまだったね、モニターちゃん。

で、夜はRomちゃんと久住さんのライブを観に行った。開演前、客席でホットサンドを食べていたら、久住さんが「あ、そうだよね!加藤さんがいるんだよね!せっかくだから飛び入りでさ〜」とおっしゃる。といったわけで1曲コーラスで飛び入り参加。
ロムちゃんのセットも楽しい曲に楽しい編成がなじんですごくよかったし、久住さんのセットも次から次へといろんな人が出て来て、最後は坂本Q一まで来てなんとヒップホップ(Qちゃんは”ヒッポップ”と言っていた)でクラフトワークや吉田拓郎の「結婚しようよ」などを歌い、歌い散らしてお帰りになった。久住さんは何をやっても、どこへ行っても、その場を全部ミックスして久住さんワールドにしてしまうのがすごい。2組ともとてもよかった。良いものを観せてもらった日だ。ロムちゃん久住さん、サポートのみなさんおつかれさまでした。どうもありがとうございました。

[link:340] 2004年12月14日(火) 02:07


2004年12月15日(水)

シーモアグラスでやっているpOmちゃんことひらのゆきこさんの展覧会にいってきた。pOmちゃんは空気公団と仲良しで、この間の空気公団のライブで気球を作った人だ。普段はシーモアで働きながら布で人形や小物などを作って展覧会をしたりしている。展覧会の度にお知らせのはがきをくれるのだが、それがまたモーレツかわいい。そして味とココロがみっちりの作品もすごくいい。今回の作品展はお人形がなかったが、過去の作品(みんな売れてしまっているので写真しかない)を見せてもらったら、これまたよいのだ。今度の展覧会はお人形をたくさん作ってほしいなあ。
シーモアで『ロバのロバちゃん』という絵本を読んだ。
キリがないので絵本センサーをしばらくしまっていたのに、そういうのを読んじゃったもんだから、またセンサーのスイッチが入ってしまい、ドイツとアメリカの古い絵本を衝動買いしてしまった。ちょっとやそっとのかわいい洋書などには手を出さないが、それでも押さえきれなかった。アメリカの「バネとかネジとか滑車の働きを子供に説明する本』。

[link:341] 2004年12月17日(金) 22:43


2004年12月17日(金)

実家の母と電話していて、『こりん(犬)元気?』と聞くと、
『ああ、すごい元気だよ。ここにいるよ、ほらこりん、ちあきちゃんだよ、ちーあーきーちゃんっ!試しにアンタそこから「こりん」って呼んでみ。』と言う。うちの母はほんとにどーしょーもないような小芸(口の端を指さして『あ〜〜〜〜〜ん、ホラあ〜〜〜〜んして』というと口を一瞬だけ1cmぐらい開く、とか、両手をあわせて『いただきまーす』など。どれもすごい微妙)をいつの間にか仕込んで喜んでいるので、『きたきた』と思いながらも電話口で『こりんちゃん!こりんちゃん!ちあきちゃんだよ!こりん!ワンは?』と叫んでみると、『フゥン......?』とか言ってる。母はこりんの耳に受話器をあてているらしく、私が『ダメなんじゃない?わかってないよ』などと言うのも無視。仕方がないのでそのままこりんの名を叫び続けた。すると、『.......ワン』って!おりこうだね〜〜〜!こりんちゃん。こりんは声は聞こえるのに『ちあきちゃん』の姿がないので、きょろきょろしていたらしいです。でもやってみるもんだね。
犬と電話できたよー。

[link:342] 2004年12月18日(土) 23:56


2004年12月19日(日)

お風呂読書の季節、家にあるものの、なぜか途中で興味が失せたり、そういう気分じゃなかったりして、読むのやめた本などをもう一度見直してみようと思い、夏目漱石の「それから」を読んだ。学生時代に確か一度読んだが、その時は気分じゃなかったらしく、更に森田芳光監督の映画も観たので、小説として読んだことの印象がない。そして正直な話、そのまま夏目漱石があまりにも有名な文豪だということもあって何となく今さらあらたまって「読む」ということをしないまま今になった。というわけで今になって読んでみた。するとなぜかとても面白く、スルスルと頭に入ってきて、あっという間に読んでしまった。
まったく偶然に読んだだけのとある解説によると「それから」は漱石自身が自分の作品の中で、後の漱石文学の柱であるといわれる(←まったく受け売り)「近代精神の文学化」を開花させた(←同じく受け売り)作品らしく、斬新だが荒削り(←だそうだ)な「吾輩は猫である」とかそのあたりの作品からくらべると熟しているものらしい。
そう言われると、じゃあそれ以前のやつも読んでみようと思い、次に「坊ちゃん」も読んだ。こちらも非常にわかりやすい。で、いま「こころ」を読むところだ。この読み方はまったく年代を無視していて、非常にかいつまんで作家の代表作を読んでいるというとっても不真面目なやり方だけど、まあそれはよし。
こうして読んでみると、どの作品を読んでもその文体というのはとても特徴的であることが改めてわかった。どう説明してよいのかわからないけど、なんかこうなめらかな食パンにすい、すいとバターとのばしていくような文章なのだ。書いている内容によどみや陰影があっても、文体によどみがない感じ。どんどん読み進んでしまうのはそのせいもあると思った。複雑な心境とか状況を一筆書きのように表してしまえるってすごいなあ、と思った。学校の推薦図書になったりする文豪はなるほどそれだけのことはあるのだ(←アホな感想)。森鴎外だけは「舞姫」がぜんぜん面白くないなーと思って(内容は全然覚えていない)、わりと避けてたフシがあったが、それも今読むと違うのだろうか。

[link:343] 2004年12月20日(月) 01:15

2003年6月16日までの日記


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