忘れ物はないね?:2003-12-19

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

HOME

2003年12月19日(金)パティシエイナムラショウゾウ

鴬谷にあるケーキの名店パティシエイナムラショウゾウへお遣いいものを買いに行く。前から行きたいと言っていたお友達のSさんと仕事帰りに合流して、二人してあーでもないこーでもない、とケーキの世界に思いをはせながら足取りも軽く行ったのだが、行った時間が遅かった。まだ閉店までには1時間もあるのに店内はすべて空。お店のドアに「生菓子はすべて売り切れました。」という貼り紙がされていて、中のショーケースの中も空っぽも空っぽ、なんにも無いのだった。でも生菓子でないものならあるのか?と思い、おそるおそる中へ入ると、「焼き菓子もそちらにあるのが1点のみとなります。」見ると、ベンチかと思っていた場所にひとつだけパウンドケーキがぽつーんと置いてあった。どうやらベンチだと思ったそこには、昼間まではいっぱい焼き菓子が並んでいたのだ。しかたなく、Sさんと最後のパウンドケーキを半分ずつ包んでもらって店を後にした。
2〜3年前はじめて来た頃は、パティシエイナムラショウゾウがそんなに人気店とはまったく知らなかった。小さいお店だけど、今では外に警備員すら立っていた。へええええ。
でもケーキはほんとに素材の味が生き生きとしていて、何かスタンダードなものがとっても丁寧に大事にしかもシンプルにすっきりと作られていて、「ほら私おいしいでしょう!」と言わんばかりの派手なおいしさのケーキが多い昨今、安心して味わえるたいしたケーキだなあと感心するのだ。
まあそれはさておき、前回来た時、ウィンドーの向こうの工房では飴細工の真っ最中で、赤い色のぐにゅうううっとしたでっかい固まりをダーンダーンと作業台にたたきつけていたイナムラショウゾウ氏(たぶん)が印象的だった。でも今日はどの人も気ぜわしくケーキに取り組んでいて、どの人がイナムラショウゾウ氏なのかわからなかった。

[link:125] 2003年12月20日(土) 02:05

2003年6月16日までの日記


Copyright©2001-2003 Chiaki Kato, All rights reserved.
Contact Us
Do you know DonutFilms?