忘れ物はないね?

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2003年07月02日(水)お買い物日和

渋谷方面にお買い物。
バーゲン真只中である。
バーゲンでつい買っちゃう、というパターンがすっごく
嫌いな私は、最近特に『衝動買いをしない人生』を心掛けているのである。昔にくらべたら随分衝動買いをしなくなったものだ。
しかし、そうはいっても衝動買いしちゃうものもある。それは楽器。楽器は出会いだし、特に古い楽器にもし出会っちゃって『あ、コレ』ってなったら買っちゃわないと後で後悔する。今日も御茶ノ水の楽器店でヤマハの赤いオルガンに出会ってしまった。もうちょっとで買うところだったが、試奏してみると音の出ない鍵盤があり、他にももう直しても直らないダメージがあるとのことだったので断念した。
あれがもしちゃんと音が出ていたらたぶん買っちゃっていたから、ちょっとほっとした。

[link:11] 2003年07月03日(木) 02:57


2003年07月03日(木)急ぐ日

することがいろいろあって、時間制限もあって、なのにいちいち忘れ物をしたり、することの内容が難しくてはかどらなかったり、な一日。
これほどスピードを出したのは何年ぶりか?というぐらい猛スピードで自転車をこいだ(しかし立ちこぎはせず)。
自転車って乗れるようになると、乗れないマネはできないのが不思議だ。乗れなかった頃はなんでこんなもん乗れるのかさっぱりわかんない気分だったが、一旦乗れるようになってしまうと乗れない感覚が思い出せない。ハンドルをぐりんぐりんにバランスとれないようにするのは『わざと乗れないふり』をしている感じがする。乗れない、というのは自分では一生懸命まっすぐ走っているのに自転車ごと傾いて行ってしまい、最後には転ぶ、という感じだったと思う。今それをやれ、といわれてもできない。人間の学習能力はすごいなあ、と猛スピードしながら思った。きっと『綱渡り』とか、『傘の上でやかんを回す』とかそういうのも、やっぱりいくら想像したってなんでそんなことできるのかさっぱりわからないが、いざできてしまうとできた時の感覚が『なるほど』という具合に自分でわかるのだろうな、と思える。一度は綱渡りとかやってみたいものだ。

[link:12] 2003年07月04日(金) 00:24


2003年07月04日(金)蚊の季節です。

うっかりしていましたが、季節はもうすぐ夏。
っていうかもうすでに蚊。
蚊に異常にさされやすい私はちょっと外に出るとすぐさされて困ります。
その昔、神社で一度に32箇所もさされたことのある私です。そう思ってできるだけ露出をさけた格好をして出かけても出ている所(たとえそれが足首から下でも)を集中攻撃されます。ちょっと八百屋さんの店先で品定めしていても、ちょっと洗濯ものを干していても、ちょっとだるまさんがころんだをしていても、です。
もちろんオープンカフェなんてところに行った日には
おちおち恋人と愛の語らいもしていられません。
『ジュテーム(ぼりぼりぼり)』、『イッヒリーベ(ピタンッ、ぼりぼり....)ディッヒ(爪で十字つける)』

『すいません、(ピタン)このトマト一盛り(ピタン)ください(ぼりぼり)』

『だーるまさんが......(かゆっ、かきたいっ)こー..(あ〜もうがまんできん!)ろんだっ(だめだーっ!ぼりぼりぼりぼりぼりーーーっ)。あー、ちあきちゃん動いたー。』

といった具合です。
しかもむかつくことに思いっきり血管の上をさされるのです。蚊はよく知っているなあ、と感心している場合ではないのです。もちろん私だって殺生はしたくありません。けど、キィィィィッ!となってしまうのです。
中学の頃、卓球部にいた友達が、蚊が腕にとまったので、そのまま筋肉をグッとやったら、蚊が筋肉の硬直した腕の表面に足をとられ、動けなくなったのを目撃しました。さすが卓球部。だてに腕の筋肉があるわけじゃないんだな、と感心した憶えがあります。

今、私には何ができるでしょうか。

[link:13] 2003年07月05日(土) 00:17


2003年07月06日(日)下町

さて、私は以前大田区に住んでおりましたが、その頃は
スーパーで、郵便局で、クリーニング屋さんで、人に話しかけられたり、やさしくされたり、ということがそんなにない日々を送っておりました。
が、いわゆる東京の下町、といわれるあたりに引越した今、
町のあらゆるところで人に話しかけられたり、親切にされたりしているのでありました。
きのうも郵便局で、おおきなゆうぱっく抱えて順番を待っていましたら、ちょっと怪し気なおじさんがすいーと寄って来ていきなり肩をたたくものだから、びくっ!となったんですが、『重いだろう、ここ(椅子)に置きなさいよ』。クリーニング屋さんではおしゃべりなおばちゃんが、私の先に並んでいたにもかかわらず、『あたし多いからこの人先にやってあげて』。
まあたまに短気な人とかいたり、スーパーで知らないおばちゃんにかぼちゃのレクチャーを受けたり、豆腐について質問攻めにあったり、ということもありますが、親切な目にあうというのはうれしいものなので、自分でも人に親切にしよう、という気になります。

[link:14] 2003年07月06日(日) 23:41


2003年07月07日(月)傘を見にいった。

私の置き忘れ、紛失等により次々と無くなっていく傘たちの中で、唯一長年に渡り愛用できている傘がそろそろくたばってきた。なので出かけたついでに、あるお店の前にいっぱい並んでいた傘を見てみた。するとすかさずお店の奥からエプロン姿のおばちゃん(お店の人)が飛び出して来て、あれやこれやと次から次に広げてみせてくれ、ものすごい勢いで薦められた。そのマシンガントークもすごくて、『あ、これは細かいチェックね。こっちの色もあるの。で、あなたこの近くの人?』『あ、ええ、まあ。(別の傘を手にとる)』『あ、そっちは無地ね。なかなかない色よー。お母さんは元気なの?』『??あ、そうですね。』『あそ。じゃよかった。それは内側が花柄なの。それで働いてるの?』『え?母ですか?』『いやあなた。』『あ、ああ、ええ。』『今日は休みなの?』『あ、うう、ええっと、休みといえば休みですね。』『へえ、お家手伝ってるの?あ、それは骨が16本あるの。丈夫よ〜。それにしなさいよ。』『へえ、骨が...。蛇の目みたいですね。』『あ、蛇の目はまた違うのよ。蛇の目が欲しけりゃあるわよ。2万円ぐらいのと4万円ぐらいのだけど。うちはもともとが傘屋だからオリジナルよ。修理もしたげるわよ。あなた長女?』『はい?あ、そ、そうですね、長女は長女ですね。』『んじゃ、お母さんまだ若いんだ。あ、そっちはもうこの色ちがいがあるだけよ。もうお勉強しとくからそれにしなさいよ。で、仕事は何してんの?うちも娘がいるんだけど、保険会社の管理職で大変なのよ。』『へえ....。』という具合に、何の脈絡もなく結局は話を自分の娘の自慢へ持っていってしまうという、まさにミラクル飛び石戦法であった。で、私はというとその骨の多くて丈夫だという傘を買わせていただきました。なんか魔法にかけられてくるくる回されてるうちに傘を買わされちゃったような気がしないでもないが、それもあのおばちゃんのパワーなんだろうなあ。

[link:15] 2003年07月08日(火) 00:10

2003年6月16日までの日記


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